体調不良小説 好きな人に癒されたい!

体調不良のときに癒してくれる彼氏を妄想。

小説 チョコレート②

橘貴子27歳

契約社員

 

先日、彼氏ができた。

佐々木健太、26歳。誕生日が私のほうが先だけれど、学年は同じの彼。

職場で出会って、同僚の薦めもあって、彼と付き合い始めた。

 

背が高くて、体格はがっしりしていて、丸顔で、いつも笑っている。

穏やかな印象を受ける人だ。

 

実は付き合う前から佐々木さんのことが気になっていた。

 

些細なことだが、こんなことがあった。

彼はダイエットをしてだいぶ痩せたのだが、少し前までは太っていた。

そんな佐々木さんが、職場の椅子から立ち上がろうとしたとき、転んだのだ。

ドシンという大きな音が職場中に広まって、皆が一瞬顔を上げた。

私はその瞬間を隣で見ていた。

彼が照れた顔で立ち上がったそのとき、なんともいえない暖かい気持ちになったのだ。

 

よく分からないが、佐々木さんの照れた顔がとても愛おしく感じた。

周りが皆、笑顔になった。その一瞬で、周りの空気が暖かく、楽しくなった。

そのとき、私はなんだか良い人だなとぼんやり思ったのだ。

 

職場で、しかも同じチームに所属している以上、

絶対に知られてはならない関係である。

 

そんなに接触することは無い私たちだが、すれ違うことは度々あるわけで、

なんだか少し緊張してしまう。

 

付き合い始めて、まもなく1ヶ月というところだが、

少し危険な出来事が、明日あって、今私はそれがとても心配だ。

 

私の先輩であり、同じ仕事をする山本綾香さんが契約社員から正社員となることが決まった。

それのお祝いをするのだが、なんとメンバーは4人でうち2人は私と佐々木さんである。

 

佐々木さんの同期であり、私も一緒に働いた経験のある、島木さん、29歳。

職場の情報通で、コミュニケーション能力に長けており、話がとても楽しい人だ。

ただ、島木さんは話を面白くしすぎるところがあり、話は半分くらいで聞いたほうがよい。

 

その島木さんと、山本さん、そして佐々木さんと私。

この4人で飲み会をすることになっているのだ。

 

山本さんは既婚者で落ち着いた人なので、恋愛の話などはあまりしないのだが、

勘の鋭い人なので注意しなければならない。

島木さんは恋愛事情に興味はなさそうだが、彼に知られてしまったら、

職場中に知られてしまうことになるだろう。しかも、話は大きくなって。

 

やっかいなことにならなければよいのだが。