小説 プラリネ③
ひたすら痛みに耐え抜いて、まだ腹痛と頭痛はするが、吐き気は落ち着いてきた。
今がチャンス、なにか食べて薬を飲もう。
バナナを貪るように食べ、薬を飲み込む。
ふう。。
なんとか一息つけた。
薬を飲んだだけで、なんだか少し楽になった気がするから不思議だ。
田中さんとの電話を思い出して恥ずかしくて死にそうになる。
スマホを見ると田中さんからの着信が3件も入っていた。そうですよね、あんな切り方したら優しい田中さんのことだから、心配してしまいますよね。。
メッセージも来ている。
え!!!メッセージを見て、私は驚愕した。
***
葵さん、大丈夫?
あまりに心配で様子を見に行ってしまったのだけど、出られる感じじゃなかったかな。。ドアに少しだけどお見舞いかけてきたから良かったら食べてね。
***
田中さん、来てくれてたんだ。。!
あのインターホン田中さんだったんだ!
本当に申し訳ない。。
田中さんってなんて素敵な人なの?!
そんな優しい人いる?!
それなのに私ったら居留守を。。。
すぐにでも田中さんに電話したい!
でもまた途中で気持ち悪くなってしまったらどうしよう。。そしたらまた心配させてしまう。
でも薬も飲んで、先ほどよりだいぶ症状も落ち着いてきている。
大丈夫、電話しよう!