小説 プラリネ②
葵side
やばいやばいやばい!なんか変な声が出てしまった。
引いたよね!?田中さん、絶対引きましたよね!?
終わった。。この恋、終わりました。。
皆さんどうもありがとうございました。
さようなら。
「おーい葵さーん??大丈夫ですかー?」
え?田中さん?何か言ってるんですか?
もう私のこと冷めましたよね?まだ電話続けます?
「はい、、」とりあえず返事してみたものの、なんと力のない声。先ほどの不快な声のお詫びをしたいのにその気力も出ない。
そして吐きそうだ、これは困ってしまった。
なんとか呼吸を整えて一気に話そう。
「田中さん本当にごめんなさいお忙しいのに時間作ってくれたのに無駄にしてしまって本当に申し訳ないです少し気分が悪いのでちょっとこれで失礼します本当にごめんなさい!」
一気に言い切って電話を切り、スマホを放り投げてトイレに駆け込む。
うぉえ。。
涙が止まらないのは吐き気のせいか、田中さんとの恋が終わったことを確信したせいか。。
結局少ししか吐かなかったが、多少落ち着いたところでトイレを出た。
あーもうダメだ。
吐き気に加えて貧血でめまいも酷い。
腹痛もガンガンくる。
泣いたせいか頭痛までしてきた。
これはもうダメだ。。
寝たいけど寝れない、とりあえず横になって耐え忍ぶしかない。
ゔー。あー。
弱々しい唸り声を上げながらベッドの中でひたすら耐える。今日は田中さんとデートだったのにな。田中さんとデートなんて夢だったのかな。そもそも私と田中さんなんて不釣り合いなんだ。そうそう、初めから田中さんなんて無理だったんだよ。。
そんなことを考えながらただ時間が過ぎていった。
1時間後
ピンポーン
インターホン鳴ってる。
何か届く予定はなかったはず。
本当に申し訳ないけど無視させてください。
ちょっと今出るのは無理なんです。
宅配人の方、本当にごめんなさい。
また再配達でお願いします。。。
ピンポーン
心の中で謝ることしかできず本当にごめんなさい、今は出られません。
諦めてくれたようで、再び訪れる静寂。
ひき続きベットに横になる私。
痛みに耐え過ぎて体中に力が入っているのを感じる。なんだかもう全部が痛い。
あー誰かに助けて欲しいな。。