体調不良小説 好きな人に癒されたい!

体調不良のときに癒してくれる彼氏を妄想。

小説 プラリネ①

葵Side

 

腹痛で目が覚めた。朝6時。

昨夜に来た月のものが、じわじわと牙をむく。

 

動けない。でも起きないと。今日は田中さんとデートだから。

何とか力を絞ってのろのろと動く。

 

鏡の中には顔色の悪い自分。最悪。可愛くありたいのに。

今日のために新しい服だって買った。

でも汚しちゃったら嫌だから、今日はやめておこうかな。

 

とりあえず先に準備を済まそう。

家を出るまで残り2時間だから、1時間で準備して、

あと1時間でなんとか体調を良くさせたい。

 

回復するものでもないことは分かっているけど、

うずくまってじっとしていれば何とかなる!と自分に言い聞かせる。

 

メイクや着替えを何とか済ませてたが、残る時間は1時間も無く。

そして痛みは増えるばかり。どうしよう。

涙が出てきてせっかくのアイメイクもにじんでしまいそう。

体調が悪いせいでメンタルも弱ってるんだ。。

 

家を出る15分前というところで、腹痛の最大の波がやってきて

ベットでのた打ち回った末、今日のデートは無理だと決めた。

田中さん、ごめんなさい。。

 

「もしもし、おはようございます。」

もっとハキハキ話したいけど、声がうまく出せない。

「おはようございます!僕はまだ家です。葵さんは今どこ?」

田中さんの声だ・・。少し癒されてぼーっとしてしまった。

「葵さん?もしもーし」

「あ、すみません、実は・・体調があまりよくなくて、

今準備はしたのですが、家から出られなくて、、

本当に申し訳ないのだけど、延期にしてもらえないでしょうか?」

恥ずかしいが、ここは正直に言うしかない。

体調不良以外の理由でデートに勝る理由などないのだから。

田中さん、忙しい人なのにせっかく予定合わせてくれたのに申し訳ないな。

「え!大丈夫ですか??」

田中さんも困惑している。そうだよね、せっかくの日に体調崩す奴なんて嫌ですよね。

「あ、あのはい、大丈夫です、あのえっと、寝てれば直るので」

なんだか私もしどろもどろになってしまう。

どうしよう。本当は体調不良は嘘でデートに行きたくない人だと思われないだろうか。

ぐるぐる考えながらいたら、吐き気が強くなってきてしまって。

「う”っ」

やばいやばいやばい!なんか変な声が出てしまった。